[山陽新聞から]
五世紀末では吉備中枢最大
全長60b、高さ9.2b、周提沿いに埴輪列出土
岡大考古学研究室が発掘調査をしている5世紀末の前方後円墳、天狗(てんぐ)山古墳(真備町川
辺・下二万)で19日までに、周提沿いに埴輪(はにわ)列が出土。 同時に周提にかこまれた墳丘はこれまで考えられていたよりも大きい全長約60bと分かった。 造山古墳(岡山市)や作山古墳(総社市)の築造後、急速に小型化していく同時期の古墳としては吉備中 枢部で最大。 畿内勢力が地方支配を強めた時代の吉備の勢力図を知る手掛かりとして注目される。 埴輪列は、直径20数aの円筒埴輪。後円部に沿った周提に四基の基部が埋もれていた。周囲から朝顔 形 埴輪や形象埴輪の破片も見つかった。 |
墳丘は二段築成で後円部の直径46b、前方部の長さ14bで、従来考えられていた全長45bより一回り大きく、県内の旭川以西では最大。墳丘を囲む周溝と周提を含めた全長は約80b。 墳丘の高さは9.2bと同規模の古墳の標準的な高さ(5b程度)に比べてかなり多量に盛り土をした構造だったことも分かった。 発掘に当たっている松木武彦、同大文学部助教授は「吉備中核にある同時期の古墳の中では突出した存在。巨大な造山、作山古墳の後、雄略天皇の支配下で勢力が分散、平均化した中、吉備中枢部の西端を抑えた権力者の存在がうかがえる」と話している。 |
同古墳は高梁川と小田川の合流地点に近い丘陵上。後に吉備真備を輩出した下道(しもつみち)氏の本拠地に当たる。 戦前、竪穴式石室が掘られ、武具や馬具が発見されているが本格調査は初めて。 |
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